調査研究

書道団体活動実態調査の調査票様式をアップしました
 日本書道ユネスコ登録推進協議会と日本書道文化協会では、国内の書道団体における活動状況の調査を行っております。
 調査票をお送りした調査対象の書道団体において調査票にPC等での入力をご希望される方のために、調査票のExcel版とPDF版のファイルをアップしますので、必要に応じでダウンロードしてください。
 調査票はNO1とNO2の2枚あります。2枚ともご記入の上ご回答願います。2023年(令和5年)6月

「書道文化に関する基礎調査」「書道団体実態調査」の実施報告 および「書道文化に関する基礎調査報告書」の公示

 

(1)アンケート調査の目的と内容

 日本書道ユネスコ登録推進協議会では、2017(平成29)年9月に当協議会内に調査委員会を設置し、2018(平成30)年3月から8月にかけて、「書道文化に関する基礎調査(一部 書道団体実態調査)」と称するアンケート調査を実施しました。

 日本国民において書道文化がどんな位置付けにあり、日常生活でどのように捉えられて根付いているか、また、現在書道文化が抱える問題点や課題点は何かなど、書道文化の実態を把握するための調査研究の一環として執り行われたものです。

 調査は可能な限り広範な意見を得るために、小・中学校、高等学校・大学、一般の書道愛好者、展覧会参観者、全国の書道団体、書道用品生産者・小売業者、表具店・設営業者など、今日の書道に関係すると思われる各所に幅広く回答を求めることにしました。これに即して対象を大きく9つに分類、分類ごとにアンケート内容も検討し、4万件近い調査依頼に対して5千件以上(回答率13%超)の回答協力をいただくことができました。

 アンケート調査にご協力をいただきました関係者の皆様、団体様には、大変貴重な資料やご意見を賜わり、心より御礼を申し上げます。

 この調査は、手書き文化自体が衰退する今日、生活文化としての書道の現状を詳細に把握し、適切な保護・振興策を検討するための基礎的な資料を作成することを目的としており、今回皆様からいただいたご回答は、この目的のために活用をさせていただきました。

(2)アンケート調査の概要

(3)基礎調査報告書の要約・まとめ

 アンケート結果は調査委員会において集計・分析を行い、2019(平成31)年1月15日付で全152頁に亘る「書道文化に関する基礎調査報告書 (付)書道団体実態調査」がまとまりました。

 アンケート結果に顕著に表れた回答内容、特筆すべき回答内容、更にそこから導いた分析内容を次の通り要約しました。また、下記の『書道文化に関する基礎調査報告書』(PDFファイル)では、全152頁を閲覧することができます。

①今回のアンケートを通して、日本の生活に書が極めて自然に浸透していることが改めて理解された。毛筆で文字を書くことを通して文字言語の感覚を養い、精神的な充実感を得ることができるということを、日本社会で広く共有している。

②とりわけ「書き初め」は年中行事として、生活に根付いた国民的な創作活動と言って過言ではない。主要な正月行事として今日でも全国的にまんべんなく定着しており、日本人にとってはもっとも親しみ深い伝統的な生活文化となっている。

③毛筆で書かれた文字は、賞状や看板、年賀状をはじめとする手紙、のし紙・のし袋、各種の商品パッケージなど、さまざまな形で私たちの日常生活を彩っている。今日の書道が、伝統的な書法を背景とする日本の国民生活に根ざした文化であることが明確に理解された。

④しかし一方で、パソコンやスマートフォン、プリンターの普及などによって手書きの機会が減少し、書道人口が減少傾向にあることも如実に理解された。この現状に呼応して、毛筆文化の喪失に危機感を抱き、文化として継承していかなければならないという必要性を多くの人が感じていることも分かった。

⑤書道は古来、言語として、また造形芸術として、さらには教育的な活動として日本文化の基底を形成し、深く根付いてきた。その環境は今日でも基本的に変わらない。書き初めが国民的な活動として今日でも活発に行われている現状を鑑みれば、この状況を疑う余地はないが、それだけに、特段の配慮がなくとも書道文化が存続しうると考えられてきたきらいがある。これまで、書道団体や教育現場などにおける自律的な活動に保護や継承という側面も委ねてきたが、今回改めて現状を確認してみたことによって、能動的に保護・継承に関する施策を打ち出して行かねばならない時期に差し掛かっていることが理解された。

 

『書道文化に関する基礎調査報告書(全152頁)』(PDFファイル)

 

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